“なんとなく不調”を育ててしまう生活習慣マップ 〜スマホ・働き方・家事・間食のクセを見直す〜

スマホやお菓子を手にしたまま疲れた表情でソファに座る人と、生活習慣マップを見直して少し表情がゆるんでいる人を対比したイメージイラスト

「特別な病気があるわけじゃないのに、ずっと本調子じゃない」。
そんな“なんとなく不調”は、ひとつの大きな原因があるというより、毎日の小さなクセが少しずつ積み重なって育っていくことが多いです。スマホ通知、だらだらスクロール、夕方の甘いおやつ、座りっぱなしの働き方や家事のスタイル…。この記事では、そうした「行動パターン×からだの反応」を一枚の地図のように整理して、自分なりの生活習慣マップを描き直すヒントをお届けします。


目次

1. 気づかないうちに“なんとなく不調”を育てる小さなクセたち

「最近ずっと疲れている気がする」「検査では異常なしと言われたけど、どうもスッキリしない」。
相談を受けて話を聞いていくと、多くの方に共通するのが「ちょっとした生活習慣」の積み重ねです。

例えばこんなパターンです。

  • 朝から寝る直前までスマホ通知が鳴りっぱなし
  • 仕事や家事の合間に、気づくとお菓子や甘い飲みものに手が伸びている
  • デスクワークや車移動が多く、ほとんど立ち上がらない
  • 夜は疲れ切って、ソファでだらだらスマホ → 気づいたら寝る直前

どれも「よくある日常」ですが、からだの側から見ると、
・脳への情報入力が休むヒマなく続く
・血糖値が急上昇・急降下を繰り返す
・長時間の座りっぱなしで血流・代謝が落ちる
・ブルーライトで体内時計が後ろにずれる
といった変化が積み重なっています。オムロンヘルスケア+1

この記事では、こうした行動パターンを「マップ」にして眺めながら、
「どこを1〜2割ゆるめると、体調も少しラクになりやすいか」を一緒に探っていきます。


2. 「なんとなく不調」と生活習慣、どんなふうにつながっているのか

“なんとなく不調”という言葉は、医学的な診断名ではありません。
ただ、現場でお話を聞いていると、共通する特徴があります。

  • 検査では大きな異常は見つからない
  • でも「疲れ・眠れなさ・イライラ・肩こり・頭が重い」がじわじわ続く
  • 良くなる日もあるが、忙しくなるとすぐぶり返す

ここに、生活習慣として多いのが次のような組み合わせです。

  • スマホ通知・SNSを常にチェックする
  • 夜遅くまで画面を見てから寝る
  • 朝食や昼食を軽く済ませて、夕方〜夜に一気に食べる
  • お菓子・甘い飲み物で「とりあえず元気を出そうとする」
  • 仕事・家事・育児で座りっぱなしor立ちっぱなしが長い

「スマホが悪い」「お菓子が悪い」と単純に決めつけるのではなく、
「どんなタイミングで何が重なっているか」を見るのがポイントです。

ざっくりまとめると、

情報の入り方(スマホ・仕事)
+ エネルギーの入れ方(食事・間食)
+ からだの使い方(座り方・立ち方・動き方)
+ 休み方(睡眠・休憩の取り方)

この4つのバランスが崩れると、“なんとなく不調モード”に入りやすくなります。


3. 脳・神経・血糖・ホルモンで見る「なんとなく不調モード」

ここからは、からだの中で何が起きているかを、少しだけ専門的な視点から整理してみます。

夜のスマホと体内時計

夜遅くまでスマホやタブレットの画面を見ていると、ブルーライトが目から入り、脳の体内時計に働きかけます。ブルーライトは睡眠ホルモンと呼ばれる「メラトニン」の分泌を抑えるため、夜に浴びると「今は昼だ」と勘違いさせてしまうと言われています。オムロンヘルスケア+2秋山こどもクリニック+2

その結果として、

  • 寝つきに時間がかかる
  • 眠りが浅くなる
  • 朝スッキリ起きられない
    といった状態が起こりやすくなります。

女子大学生アスリートを対象にした研究では、就寝前のスマホ使用を制限したところ、睡眠の質が改善したという報告もあります。群馬大学リポジトリ

夕方の甘いものと「ジェットコースター血糖」

夕方になると、甘いお菓子や砂糖たっぷりの飲み物が欲しくなる人は少なくありません。
これは、

  • 日中のエネルギー切れ(仕事や家事での脳の疲労)
  • 食事間隔があきすぎたことによる血糖値の低下
    が関係していることが多いです。

砂糖をとると血糖値が急上昇し、その後インスリンの働きで急に下がります。
血糖値の変化と気分・疲労感の関連を調べた研究では、血糖値の上昇とともに「疲労感」が高まり、気分の変化が起こることが報告されています。桜美林大学

また、甘いお菓子習慣が続くと、血糖値スパイクやインスリンの働きの乱れを通じて、将来的な生活習慣病リスクにもつながる可能性が指摘されています。note(ノート)+1

短期的には、

  • 食後すぐの元気 → そのあと急な眠気やだるさ
  • 集中力が続かない
    といった“糖のジェットコースター”状態になりやすく、それが「なんとなく不調」に直結します。

座りっぱなしと血流・メンタル

デスクワークや車移動で「一日中ほとんど座りっぱなし」という生活も、からだにじわじわ効いてきます。
1日8時間以上座っている人は、3時間未満の人と比べて死亡リスクが1.2倍になるという報告があり、12時間以上座る人ではメンタルヘルスが悪い人が3倍多いというデータも示されています。my-zaidan.or.jp

怖がる必要はありませんが、

  • 血流が滞りやすくなる
  • 筋肉が硬くなり、肩こりや腰の重さにつながる
  • 気分の落ち込みやイライラとも関係しうる
    といった「静かに進む負担」がある、とイメージしておくとよいかもしれません。

こうした要素が重なると、

  • 自律神経が“緊張モード寄り”で固まりやすい
  • 脳のエネルギーが常に足りない感じ
  • からだのセンサー(感覚)の精度が落ちて、「どこが疲れているのか分からない」

という状態になり、結果として“なんとなく不調”が育っていきます。


4. よくある生活パターン別「不調を育てる行動マップ」

ここでは、現場でよく見かけるパターンを、少し整理してみます。
自分の生活と重なるところがあれば、「全部じゃなくて、どこを少しゆるめるか」を考えてみてください。

パターンA:通知が一日中鳴っている人

  • 朝起きてすぐスマホ
  • 通知が鳴るたびに反射的にチェック
  • 仕事中も家事中も、常に“気が散る状態”

脳は「次に何が来るか分からない通知」によって、軽い緊張をずっと保つことになります。
交感神経が優位になりやすく、肩こり・頭の重さ・呼吸の浅さなどにつながりやすいパターンです。

パターンB:夜のだらだらスマホ&動画視聴

  • 帰宅後、ソファで動画やSNSを眺め続ける
  • 寝る直前まで画面を見ている
  • 布団に入ってからも、ついもう一動画

ブルーライトと情報量の多さで、脳は「まだ活動時間」と判断しがちです。
結果として、

  • 寝つきが悪い
  • 夜中に目が覚める
  • 朝、起きても回復した感じがしない
    といった“睡眠の質の低下”につながります。オムロンヘルスケア+1

パターンC:夕方の甘いもの&夜のドカ食い

  • 昼は軽く済ませる or 食べる時間がほとんどない
  • 夕方に甘いお菓子や砂糖入りコーヒーでしのぐ
  • 夜は疲れ切ってドカ食い → すぐ横になる

血糖値の乱高下と消化の負担が重なり、

  • 食後のだるさ
  • 朝の胃もたれ
  • 日中の集中力低下
    を感じやすいパターンです。

パターンD:座りっぱなし or 立ちっぱなしの働き方・家事スタイル

  • デスクからほとんど立ち上がらない
  • 逆に、一日中キッチンや売り場で立ちっぱなし
  • 休憩もスマホを眺めて終わる

筋肉や関節は「同じ姿勢を続けること」が苦手です。
座りっぱなしでも立ちっぱなしでも、血流が偏り、肩こり・腰痛・足のだるさを育てていきます。スポーツ庁 Web広報マガジン|DEPORTARE+1

本当は、こうした行動パターンは別々の話ではなく、1日の中でつながっています。
だからこそ、「どの時間帯に」「どのクセが」あるのかを、一度紙に書き出して“自分の生活習慣マップ”を作ってみると、意外な気づきが生まれやすいです。


Q1. スマホはどれくらい減らせば、体調に変化が出やすいですか?

一気に「◯時間まで」と決める必要はありません。
研究では、就寝前のスマホ使用時間を減らしただけでも、睡眠の質が改善した例があります。群馬大学リポジトリ

まずは、

  • 寝る30〜60分前は画面を見ない
  • 通知をオフにする時間帯を1日のどこかに作る
    といった、「時間帯を区切る」ことから始めると、からだの変化を感じやすいです。

Q2. 甘いものを完全にやめないと、“なんとなく不調”は良くなりませんか?

完全にゼロにする必要はありません。
むしろ、

  • 「空腹でクタクタなとき」に甘いものだけをとらない
  • 食事のあとに、量を決めて楽しむ
    といった工夫で、血糖値のジェットコースターをゆるめるだけでも、
    だるさや眠気が軽くなる方は多いです。

Q3. 生活を工夫しても“なんとなく不調”が続くときは、いつ医療機関に相談すべき?

  • 疲れが数週間〜数か月続いている
  • 動悸・息切れ・体重変化・強い不安感など、いつもと違う症状がある
  • 日常生活や仕事に支障が出てきている

こうした場合は、生活習慣の見直しと並行して、一度医療機関で相談しておくと安心です。
「たいしたことないかも」と感じていても、検査で確認しておくことで、生活改善の優先順位がつけやすくなることもあります。


5. 今日からできる「生活習慣マップ」の描き直し方

最後に、「全部変える」のではなく、「1〜2割だけ変える」ためのヒントをいくつかまとめます。

小さな一歩からだへのイメージ
寝る30分前はスマホを別の部屋に置く体内時計が整いやすくなり、睡眠の質アップにつながりやすい
30分に1回、立ち上がって背伸びを1回血流がリセットされ、肩こりや頭の重さの予防に役立つ
夕方の甘いお菓子を「ナッツ+小さな甘いもの」にする血糖値のジェットコースターをゆるめ、だるさ・眠気を軽減しやすい
1日の終わりに「今日の生活パターン」を3行メモ自分の生活習慣マップが見え、改善ポイントが探しやすくなる

全部を完璧にやる必要はありません。
「これなら今日からできそう」と思えるものを、ひとつだけ選ぶくらいがちょうど良いです。

なんとなく不調は、「自分がダメだから」ではなく、
忙しい毎日の中で、からだのサインを受け取りづらくなっているだけのことも多いです。
生活習慣マップを少し描き直すことで、からだの声がまた届きやすくなります。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
この記事があなたのより良い生活のための一助になりますように。

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この記事を書いた人

からだトレンドラボを運営している、理学療法士のテラサワです。
病院やクリニックでのリハビリに長く関わる中で、
「もっと早く知っていれば楽になれたのに」という声を
何度も聞いてきました。

このブログでは、からだや健康にまつわる“トレンド情報”を、
医学的な視点でていねいに噛み砕いてお届けします。
難しいことはできるだけやさしく。
読み終わったときに、ちょっとだけ不安が軽くなっていたら嬉しいです。

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