目は開いているのに、頭はまるで省エネモードのまま。そんな「午前中からずっと眠い」状態が続くと、仕事や家事だけでなく、気持ちまで重たくなってきますよね。この記事では、朝の眠気を「根性の問題」にしないために、睡眠時間・朝の血糖・カフェインの3つの視点から、からだの中で起きていることを整理していきます。全部変えなくても大丈夫。「ここだけ少し変えてみる」で、エンジンのかかり方は意外と変わります。

1. 「午前中からもう眠い」という声が増えている背景
ここ数年、
「夜は一応眠っているのに、午前中がつらい」
「会議の一コマ目からもう頭が回らない」
という相談がとても増えています。
・アラームはちゃんとかけている
・布団からは起き上がれている
・それでも午前中ずっとまぶたが重い
そんなとき、多くの人は「年齢のせいかな」「体力が落ちたんだろうな」と、自分のがんばり不足に結びつけがちです。
でも現場で話を聞いていると、
この“朝の眠気”には、いくつかよく似たパターンがあります。
- 寝る時間が遅く、平日はずっと睡眠負債タイプ
- 朝イチの甘い飲み物や、朝食抜きで血糖がジェットコースタータイプ
- コーヒー・エナジードリンクで無理やり覚醒 → あとで反動タイプ
どれも「意思が弱いから」ではありません。
からだと脳の仕組みから見れば、ごく自然な反応です。
この記事では、
- 睡眠時間とリズム
- 朝の血糖と、甘い飲み物の影響
- カフェインとの付き合い方
この3つをチェックポイントとして取り上げ、「自分の朝の眠気はどこから来ているのか?」をたどっていきます。
2. 「朝の眠気」と一言でいっても、いくつかタイプがある
同じ「朝がつらい」でも、中身は少しずつ違います。ざっくり分けると、こんなタイプに分かれます。
| タイプ | よくあるパターン | からだの中で起きやすいこと |
|---|---|---|
| 睡眠負債タイプ | 平日は6時間以下の睡眠が続く / 休日は寝だめ | 慢性的な脳の疲労・自律神経の乱れ |
| 血糖ジェットコースタータイプ | 朝食抜き+甘い飲み物だけ / 菓子パンと甘い飲み物 | 急な血糖上昇とその後の急降下によるだるさ |
| カフェイン・ブレーキタイプ | 起きてすぐ濃いコーヒー / 一日中ちびちび飲む | カフェインに頼りすぎ→効きにくさ・リバウンド眠気 |
「睡眠時間は足りているつもり」でも足りていないことが多い
睡眠医学のガイドラインでは、成人は1日7時間以上眠ることが勧められています。多くの研究で「7〜9時間」が心身の健康にとってちょうどよい範囲とされており、6時間前後が続くと、日中の眠気や不調が増えやすいことも報告されています。サイエンスダイレクト+4疾病予防管理センター+4睡眠医学アカデミー+4
「6時間寝てるから大丈夫」と感じていても、
・途中で何度も目が覚める
・いびきが強い
・寝る時間が日によってバラバラ
といった条件が重なると、脳にとっては「休みきれていない夜」になりがちです。
「血糖ジェットコースター」は朝からも起きる
ご飯やパン、甘い飲み物をとると血糖値が上がります。
問題になるのは、
- 量が多すぎる
- 砂糖や精製された炭水化物ばかり
- たんぱく質や食物繊維が少ない
という条件が重なり、「急上昇 → 急降下」の波になったときです。血糖が急に上がって、そのあとストンと下がる過程で、強い眠気やだるさを感じる人が多いことが知られています。glucare.health+4Sleep Foundation+4Healthline+4
「お昼ごはんのあと眠くなる」のはよく知られていますが、
朝イチの甘いカフェオレだけで仕事を始めるような場合にも、実は似たようなことが起きやすくなります。

カフェインは「助っ人」だけど、扱い方しだい
コーヒーやお茶のカフェインは、確かに眠気覚ましに役立ちます。でも、
- 起きてすぐ大量に飲む
- 一日中ちょこちょこ追加する
- 夕方以降も当たり前のように飲む
こうしたパターンが続くと、カフェインの効き方が鈍くなる・夜の睡眠が浅くなる・かえって日中の眠気が増える、といった“反動”が出ることがあります。
カフェインの血中の濃度が半分になるまでに、健康な成人で平均4〜5時間ほどかかるとされ、個人差はあるものの3〜7時間ほどの幅があると報告されています。BBCサイエンスフォーカス+5国立バイオテクノロジー情報センター+5サイエンスダイレクト+5
「飲んでいるときはスッとするけれど、切れてくるとドッと眠くなる」
その波に振り回されて、朝から1日中しんどい…という人も少なくありません。

3. 朝の眠気をほどくために知っておきたい「睡眠・血糖・カフェイン」の中身
ここからは、からだの中で何が起きているのかを、少しだけ覗いてみます。
3-1. 睡眠:脳とからだのメンテナンス時間が足りているか
睡眠中、脳では
- 日中の記憶の整理
- 老廃物の排出
- 自律神経のリセット
といった作業が続いています。
睡眠時間が短い・途中で何度も起きる・寝る時間がバラバラ、といった状態が続くと、これらの作業が中途半端になり、翌朝の「頭のキレ」や「からだの軽さ」にそのまま跳ね返ってきます。
最近の大規模調査でも、多くの成人が推奨される7〜9時間の睡眠に届いておらず、睡眠時間が短いほど日中の眠気や集中力低下が増えやすいことが示されています。サイエンスダイレクト+1
「寝つきはそんなに悪くないけれど、朝のスッキリ感が遠のいてきた」という場合、
睡眠時間そのものだけでなく、
- 毎日の就寝・起床時間のバラつき
- 夜中にスマホを見る習慣
- 夜遅い時間のカフェインやアルコール
も、静かに悪さをしていることがあります。
3-2. 朝の血糖:甘い飲み物だけで一日を始めると何が起きるか
朝イチの甘いカフェオレや、加糖の紅茶・エナジードリンク。
「目を覚ましたい」「お腹にやさしそう」という理由で選びやすい飲み物ですが、糖分とカフェインのセットは、朝のからだには少し刺激が強めです。
糖分が多い飲み物を空腹でとると、
- 血糖値が一気に上がる
- からだはそれを下げようとしてインスリンを多めに出す
- その反動で、今度は血糖値が急に下がる
この「上がる → 下がる」の幅が大きいほど、
・強い眠気
・だるさ
・イライラしやすさ
といった症状が出やすくなります。glucare.health+4Sleep Foundation+4Healthline+4
本来、朝は「からだを一日モードに切り替える時間」です。
血糖が大きく揺れると、自律神経やホルモンもその波に巻き込まれてしまい、午前中ずっとエンジンがかからない状態をつくりやすくなります。
3-3. カフェイン:味方にもなるし、ブレーキにもなる
カフェインは、脳で「眠気のサイン」を出すアデノシンという物質の働きを邪魔することで、眠気を感じにくくさせます。
一方で、
- 多すぎる量
- 遅すぎる時間帯
- “眠気をごまかすため”だけの連続摂取
が続くと、
・夜になっても神経が高ぶったまま → 睡眠が浅くなる
・翌朝になっても脳の疲れが残る → カフェインがないと動けない
というループに入りやすくなります。
健康な成人では、1日400mg程度までのカフェイン摂取なら、一般的には安全と考えられています(マグカップのコーヒー2〜3杯ほどが目安)。BBCサイエンスフォーカス+3サイエンスダイレクト+3Frontiers+3
また、最近は「起きてすぐ」ではなく、「起床後60〜90分ほど経ってからカフェインをとるほうが、からだ本来の覚醒リズムを邪魔しにくい」という考え方も注目されています。Zapier+3News-Medical+3Oura Ring+3
朝はもともと、コルチゾールという“目覚ましホルモン”が自然に高くなる時間帯。このタイミングに強いカフェインを重ねると、一時的にはシャキッとしますが、その後の「落ち込み」が強くなる人もいます。
4. 朝のだるさを深めてしまう「よくある生活パターン」
ここからは、実際によく見かける生活パターンを、3つのルートとして整理してみます。
4-1. 「平日6時間前後+休日寝だめ」ルート
平日は
- 就寝:0時〜1時
- 起床:6時前後
休日は
- 就寝:遅くなる
- 起床:9〜10時ころまで寝る
このパターンは、からだのリズムから見ると「時差ボケを週2回くり返している」ような状態になります。
- 睡眠時間そのものが足りていない
- 睡眠と覚醒のリズムが週ごとにズレる
この2つが重なっているので、
「月曜・火曜が特にしんどい」「水曜あたりからようやく調子が戻る」といった訴えにつながりやすくなります。
4-2. 朝イチ甘いカフェオレ+朝食抜きルート
忙しい朝、
「固形物を食べる余裕はないから、甘いカフェオレだけで出勤」という人も少なくありません。
- 空腹の状態で砂糖たっぷりの飲み物
- たんぱく質や食物繊維がほぼゼロ
- そのあとようやく昼食でドカッと食べる
この流れになると、
血糖の波が「急上昇 → 急降下 → また急上昇」と大きく揺れやすく、午前中から頭がぼんやり・イライラ・強い眠気といった症状につながります。

4-3. 「起きてすぐコーヒー&一日中ちびちび」ルート
- 起床直後にまず濃いコーヒー
- 午前・午後・夕方も、なんとなくマグカップが手放せない
- 夜も「作業の追い込みに」とカフェイン飲料
こうなると、
・夜の寝つきが悪くなる
・寝付けても眠りが浅く、途中で何度も目が覚める
・結果として睡眠の質が下がり、翌朝の眠気が増す
という「カフェイン→睡眠の質低下→日中の眠気」というループに入りやすくなります。
Q1. 6時間眠れていれば、朝の眠気は気にしなくていいですか?
6時間で足りる人もいますが、多くの成人では7〜9時間の睡眠が推奨されています。PMC+3疾病予防管理センター+3睡眠医学アカデミー+3
- 日中の強い眠気
- うっかり寝落ちが多い
- 休日に「気づいたら昼まで寝ている」
といった状態が続く場合、「自分は短時間睡眠タイプだから大丈夫」と決めつけず、
- 就寝時刻を15〜30分早めてみる
- 1〜2週間、睡眠時間と調子をメモする
といった形で、からだの反応を確かめてみることをおすすめします。
Q2. 朝イチの甘いカフェオレは完全にやめたほうがいいですか?
一生禁止、という話ではありません。
ただ、「朝食代わりに毎日これだけ」というスタイルだと、血糖の波が大きくなりやすく、朝の眠気を助長しがちです。
- カフェオレを飲むなら、ゆで卵・チーズ・豆腐・ナッツなど、たんぱく質や脂質と一緒に
- 甘さを少しずつ控えめにする
- まずは一杯目を「水や白湯」にしてから、その後カフェオレにする
といった工夫でも、からだの受け止め方はかなり変わってきます。
Q3. 生活を工夫しても朝の眠気が抜けないとき、病気の可能性はありますか?
あります。
とくに、
- いびきがひどい・寝ている間に呼吸が止まっていると言われる(睡眠時無呼吸症候群など)
- 動悸・息切れ・めまい・動くとすぐ疲れる(貧血・心疾患など)
- 体重の急な増減・強い不安感・手の震え・冷えやほてり(甲状腺の病気など)
が気になる場合は、早めに医療機関で相談してほしいサインです。
「生活習慣だけの問題」と決めつけてしまう前に、
- 数週間以上、強い眠気が続く
- 仕事や運転に支障が出ている
- 体調の変化が急で心配
と感じたら、一度診察を受けることをおすすめします。
5. 「朝の眠気ループ」をほどく3つのチェックポイント
最後に、今日から見直しやすいポイントを3つに絞って整理します。すべて完璧にやる必要はありません。できそうなところを1つ、選んでみるイメージで読んでみてください。
| チェックポイント | 目安・ヒント | まず試してみたい一歩 |
|---|---|---|
| ① 睡眠時間・リズム | 平均7〜8時間+就寝・起床の時間をなるべくそろえる | 「いつもより15〜30分早く寝る日」を週に2〜3日つくる |
| ② 朝の血糖(朝イチの飲み物・食べ物) | 空腹に甘い飲み物だけを避ける / たんぱく質を少し添える | 甘いカフェオレだけの日を「水+たんぱく質+必要ならカフェオレ」に変えてみる |
| ③ カフェインの量とタイミング | 1日400mg以内+就寝6時間前以降は控えめに | 起床後60〜90分経ってから1杯目を飲む/夕方以降はノンカフェインに切り替える |
「朝からエンジンがかからない」日が続くと、自分を責めたくなる瞬間も出てくると思います。でも、多くの場合は性格や根性ではなく、からだのリズムと環境の組み合わせが原因です。
- 少しだけ長く眠る日を増やす
- 朝イチの一口を変えてみる
- コーヒーとの距離感を、ほんの少し調整してみる
こうした小さな工夫の積み重ねが、「午前中がつらくない一日」を増やしてくれます。ゆっくりでかまいません。ご自身のペースで、朝の眠気ループをほどいていきましょう。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
この記事があなたのより良い生活のための一助になりますように。
