この冬いちばん警戒したい感染症は?流行データから“現実的に”考える

冬の体調不安を抱えた人が感染症の優先度を考えているイメージ

寒くなると、体がだるくて、喉もイガイガ。そこに「周りが次々に倒れてる」なんて話が混ざると、気持ちまで落ち着かなくなりますよね。私も現場で「結局、今年いちばん気をつけるべきはどれ?」と聞かれることが増えました。怖がるためじゃなく、迷いを減らすために整理します。

目次

1. “今いちばん流行っている”を、まず押さえる

冬の感染症って、種類が多いんです。インフル、コロナ、胃腸炎、子どもの風邪系…名前が並ぶだけで疲れます。

ただ、優先順位の付け方はシンプルで、私はいつもこの2本立てで見ます。

  • (1) いま実際に増えているか(流行データ)
  • (2) かかった時に困る度合いが大きいか(重症化・生活へのダメージ)

そして、今の流行データで「頭ひとつ抜けている」のはインフルエンザです。直近の全国データ(第49週)では、定点当たり38.51とかなり高い水準で、報告総数も多く出ています。 厚生労働省

ここで大事なのは、「自分の周りがどうか」より先に、社会全体の波を知っておくこと。波が大きいときは、どんな人でも拾われやすい。逆に波が小さいなら、過剰に構えすぎなくていい。体力は有限です。

2. 結論:この冬の“警戒トップ”はインフル。次点はノロ、続いてコロナ

ここで、先に要点を短くまとめます(迷いを減らす用)。

  • 今冬いちばん警戒したいのはインフルエンザ。全国の定点当たりが高く、流行の波が大きいからです。 厚生労働省+1
  • 次点はノロウイルスを含む感染性胃腸炎。家庭内で広がりやすく、脱水や誤嚥が“困りごと”になりやすいから。 厚生労働省+1
  • コロナは「油断しないが、今は優先度は一段下」。直近の定点当たりは1.26で、インフルほどの勢いではありません。 厚生労働省

「じゃあインフルだけ見ればいい?」というと、そこが落とし穴。冬は複数が並走します。だから現実的には、

  • ふだんの予防は“共通装備”
  • 症状が出たときだけ“分岐”
    この切り替えが、いちばん疲れません。

ちなみに、流行の大きさをざっくり掴む指標として、インフルは定点当たり30で警報開始、10で注意報の基準が示されています。今の38台は「しっかり流行期ど真ん中」の見立てでOKです。 kansen-levelmap.mhlw.go.jp

3. 体の中で何が起きている?“同じ冬でも、戦い方が違う”3兄弟

ここからは、インフル・ノロ・コロナを「生活目線」で並べます。医学用語は最小限にして、判断に使える形にします。

インフルエンザ:燃えるように広がって、生活を止めるタイプ

インフルの怖さは「重症化」だけじゃありません。一気に高熱、関節痛、だるさで、生活が止まる。仕事も家事も育児も、いきなり詰みやすい。

直近の全国データでは、報告総数148,314、定点当たり38.51。数字だけでも波の大きさが伝わると思います。 厚生労働省

豆知識をひとつ。インフルは、症状が出た日だけが勝負じゃなくて、発症前日〜発症後3〜7日ごろまでウイルス排出があり得るとされています。つまり「熱が下がったから即フル稼働」が、家庭内では火種になりやすい。 厚生労働省

ノロウイルス(感染性胃腸炎):家の中で爆発しやすいタイプ

ノロは「外でもらう」より、家に持ち込まれた後が本番になりがちです。嘔吐や下痢が出ると、どうしても接触が増える。洗濯物も増える。片付けも増える。

さらに現実問題として、ノロには効く抗ウイルス薬が基本的になく、対症療法が中心です。乳幼児や高齢者は脱水に注意が必要で、下痢止めは回復を遅らせる可能性がある、と公的情報でも触れられています。 厚生労働省

もうひとつ、かなり実用的な豆知識。ノロ対策は「アルコールで何とかしたい」気持ちが出やすいのですが、汚染時の清掃や消毒は塩素系(次亜塩素酸ナトリウム)200ppmなどの考え方が基本になります。 厚生労働省+1

コロナ:ゼロにはならないけど、今は“波の高さ”が違う

コロナは、ニュースの扱いが落ち着いても、消えたわけじゃない。とはいえ、優先順位は“波の高さ”で調整していい。

直近の全国データ(第49週)では、定点当たり1.26。インフルと同じ土俵で「どっちが怖い?」と比べるより、今は「インフルが来てるから、呼吸器系の基本対策を厚めに」が合理的です。 厚生労働省


比べると分かる:対策は“共通装備+分岐”でいい

感染症ありがちな始まり方家で効きやすい基本策まず警戒したい人
インフル急な高熱、全身の痛み、強いだるさ休養・水分・人混み対策、早めの相談高齢者、基礎疾患、家族が多い家庭
ノロ突然の嘔吐・下痢、家族内で連鎖しやすい手洗い+“処理の作法”、塩素系の使い分け乳幼児・高齢者、介護や育児中
コロナ風邪に近いことも、長引くことも換気・マスク場面選択、無理しない体力が落ちている人、同居家族に注意が必要な人

4. 今日からできる“現実的な”動き方:完璧を捨てるほど、うまくいく

ここが一番大事かもしれません。感染症対策って、全部やろうとすると続かない。続かないと、結局ゼロに戻る。
なので私は、**「効果が出やすい順に、できる分だけ」**をおすすめします。

① まずは“呼吸器セット”を厚めに(インフルの波が高い時期)

  • 混む場所だけマスク(ずっとじゃなくていい)
  • 換気は短時間で回数(寒い日は“ちょい開け”を複数回)
  • 睡眠を削らない(免疫というより、翌日の判断力が落ちるのが痛い)

ここでのコツは「家の中を無菌にしない」こと。やる場所を絞ると疲れません。

② 胃腸炎は“起きた後の動き”で差がつく(ノロ想定)

嘔吐・下痢が出たとき、最優先はこれです。

  • 吐いたもの・便の処理は“広げない”が最優先
  • 手袋・マスク・使い捨てペーパーで拭き取り、袋で密閉
  • その後の消毒は、状況に応じて塩素系の濃度を使い分ける 厚生労働省+1

そして、脱水サイン(尿が少ない、口が乾く、ぼーっとする)が出たら、早めの相談が安心です。 厚生労働省

③ 迷いが出る“分岐”を、先に決めておく

ここ、心理学的にも効きます。悩む回数が減ると、体力が残る。

分岐A:受診(相談)に寄せたほうがいい目安

  • 高熱が続いて水分が取れない
  • 呼吸が苦しい、胸が痛い
  • 意識がぼんやりする
  • 乳幼児・高齢者・基礎疾患がある
    このへんは「もう少し様子見」が裏目に出やすいです。

分岐B:家で様子を見やすい目安

  • 水分が取れて、少しずつでも眠れる
  • 熱や症状がピークアウトしてきた
  • 息苦しさがない
    もちろん例外はありますが、「回復の方向性」が見えているなら、休むことが最良の対策になることも多いです。

Q&A

Q1. 「この冬いちばん」は毎年変わるの?

変わります。流行は“波”なので、年や週で主役が入れ替わります。今はインフルの波が大きいので優先度が上がりますが、胃腸炎が増える年もあります。大事なのは、対策を増やすより“順番”を変えることです。 厚生労働省+1

Q2. 家族が1人発熱。最初にやるべきは?

まずは「休ませる」と「水分」を最優先にして、同じ部屋で長時間密着しない工夫をします。換気を回し、タオルやコップの共有を避けるだけでも差が出ます。診断を急ぐより、広げない動きが現実的です。

Q3. 消毒はアルコールだけで足りる?

呼吸器系の場面では役立つことが多い一方、嘔吐や便が絡む胃腸炎の場面では“得意不得意”があります。汚れをまず落として、状況に応じて塩素系を使う考え方が公的資料でも示されています。 厚生労働省+1

5. まとめ:怖がるより、“備えの配分”を変える

この冬の現実的な結論は、こうです。

  • インフルの波が大きい時期は、呼吸器セット(換気・混む場所の対策・休養)を厚めに 厚生労働省+1
  • 胃腸炎は、起きた時の処理が勝負。消毒は使い分け 厚生労働省+1
  • コロナはゼロではないので、基本策は残しつつ“今の波”で優先度調整 厚生労働省

全部やらなくて大丈夫です。むしろ、やることを絞ったほうが続きます。今日できる分だけでいい。そこから積み上がります🙂🧣

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
この記事があなたのより良い生活のための一助になりますように。

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この記事を書いた人

からだトレンドラボを運営している、理学療法士のテラサワです。
病院やクリニックでのリハビリに長く関わる中で、
「もっと早く知っていれば楽になれたのに」という声を
何度も聞いてきました。

このブログでは、からだや健康にまつわる“トレンド情報”を、
医学的な視点でていねいに噛み砕いてお届けします。
難しいことはできるだけやさしく。
読み終わったときに、ちょっとだけ不安が軽くなっていたら嬉しいです。

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