胃腸が疲れた正月明けに 七草がゆの由来と効果をやさしく

七草がゆについてのブログ記事のアイキャッチ

お正月が終わる頃、「胃が重い」「体がむくむ」「なんか戻らない…」って感じる人、わりと多いんです。七草がゆは、ただの“行事”じゃなくて、食べ疲れした体にいったん深呼吸させるような食べ方でもあります。由来を知ると気持ちが整うし、体へのメリットも意外と現実的。今日は七草がゆを、やさしくほどいていきます。

目次

1. 正月明けの「重だるさ」、相談が増えがちです

私のところでも、年末年始が明けたタイミングは「食生活が乱れて胃腸がつらい」「寝てもスッキリしない」という声が増えます。
原因はひとつじゃないけれど、体の中で起きているのはわりとシンプルで、「入ってくる量が多いのに、回復の時間が足りない」状態になりやすいんですよね。

そこで登場するのが七草がゆ。
温かくて、軽くて、うす味。これだけで胃腸の仕事量が下がりやすい。さらに、温かいものをゆっくり食べると、体の感覚(お腹の張り・落ち着き・呼吸の浅さなど)を拾いやすくなります。
リセットというより、整えるための“再起動”に近い。ここが七草がゆの魅力です。

2. 七草がゆの由来は「健康の願い」を食べる文化

七草がゆは、1月7日の「人日(じんじつ)の節句」に食べる風習として広く知られています。中国の古い記録では、正月七日(人日)に“七種の菜”を食べて無病を願う風習が記されていて、それが日本の行事と結びつきながら形を変えてきた…という流れで語られます。同志社大学デジタルウェブサイト+1

もう少し噛み砕くと、七草がゆの背景には少なくとも二つの空気が混ざっています。

  • 一年の無事を願う(邪気を払う、病を遠ざけたいという気持ち)
  • 旬の若菜を取り入れる(冬の終わりから春へ向かう生命感を食卓へ)

「体にいいから食べる」だけだと味気ないけれど、「一年を健やかに過ごせますように」という願いが乗ると、同じ一杯がちょっと特別に見えてきます。

春の七草、味のイメージだけ持っておく

「春の七草」と聞くと、呪文みたいで身構える人もいます。なのでここは“味の印象”だけ。苦手意識が少し下がります。

七草ざっくり特徴食べたときの印象
せり香りが立つ葉ものさっぱり、少し野性味
なずなやさしい草の風味クセ少なめ
ごぎょうほんのり香りふわっと上品
はこべら青菜っぽいやさしい味
ほとけのざほろ苦さが出ることもきりっと締まる
すずな(かぶ)根の甘みとろっと食べやすい
すずしろ(大根)水分多めすっと軽い

市販の七草セットは、香りの強さも個体差があります。私は「今日は当たりの日だな」くらいの軽さで付き合うのが好きです。

雑学:七草は“切る前”にも物語がある

七草がゆって、実は「作る前」も面白いんです。地域によっては1月6日の夜や7日の明け方に、七草をまな板にのせて囃し言葉(七草囃子)を唱えながら包丁でトントン叩く“七草たたき”の風習が紹介されています。みんなの知識 ちょっと便利帳+1
料理というより、ちいさな儀式。体を整えるだけじゃなく、気持ちの切り替えにもなっていたのかもしれません。

3. 七草がゆの効果は「胃腸」だけじゃなく、切り替えに効く

「七草がゆって実は素晴らしい」と感じるポイントは、派手な健康食品みたいな力ではなく、**体の設計に沿った“戻し方”**にあります。

1) おかゆは、消化の残業を減らしやすい

脂っこいもの、甘いもの、お酒。年末年始はどうしても増えます。
そんなときに水分の多いおかゆを温かい状態で食べると、胃腸の負担を下げる方向へ舵が切れます。さらに、おかゆは「飲み込めてしまう」からこそ、あえてゆっくり噛むのがコツ。噛むと、体は“今から休んでいい時間”だと受け取りやすいんですよね。

2) 野菜を増やすのは、世界的にも王道

WHOは、健康的な食事の目安として「果物と野菜を1日400g以上(5ポーション)」を挙げています。who.int+1
七草がゆ一杯で400gに届くわけではありません。けれど、正月明けに「野菜の方向へハンドルを切る」きっかけとしては、かなり優秀です。

3) 食物繊維の“不足しがち問題”に、そっと手を当てる

厚生労働省の資料(日本人の食事摂取基準2025年版の策定ポイント)では、食物繊維は摂取不足が生活習慣病リスクに関係する報告が多く、少なくとも1日25〜29gの摂取がリスク低下に寄与するといった整理が示されています。厚生労働省
現実にはそこまで届きにくい人も多いので、七草のような葉ものを入れる一杯は、小さくても方向性が良い一手になります。

4) 「薄味」が、体の感覚を戻してくれる

ここ、地味だけど大事です。
令和5年の国民健康・栄養調査では、食塩摂取量の平均は9.8g/日(男性10.7g、女性9.1g)と報告されています。厚生労働省
一方で、日本人の食事摂取基準(2025年版)では、成人の目標量として男性7.5g未満・女性6.5g未満が示されています。農林水産省

つまり多くの人は、日常的に“ちょい塩多め”に寄りやすい。
七草がゆの日は、減塩をストイックにやるというより、「薄味でも満足できる感覚」を思い出す日にすると強いです。

4. 七草がゆで損しない食べ方と、日常へのつなげ方

七草がゆの価値は、“軽さ”と“やさしさ”。ここを崩しすぎるともったいないです。
ただ、完璧に作る必要もありません。体がラクになる方向に少し寄せられたら、それで十分。

うす味にするなら「塩を足す」より「だしを増やす」

塩気を足すと、満足感は早い。でも七草がゆの良さが薄れます。
昆布とかつお、鶏だしでもOK。だしが増えると「薄いのに物足りなくない」に寄せやすいです。

七草は“煮すぎない”と香りが残りやすい

青みや香りを残したいなら、おかゆを仕上げて火を弱め、刻んだ七草を入れて短時間でまとめる。
逆にクタクタが好きなら早め投入でOK。正解は一つじゃなくて、「今日の胃腸が喜ぶ方」を選ぶのがいちばん。

ちょい足しアレンジは、体調で決める

正月明けにフラつきやすい人は、たんぱく質を少し足すと落ち着くことがあります(卵、豆腐、ささみなど)。
ただし、胃が重いときは“足しすぎない”。七草がゆは、軽く終えるから価値がある日でもあります。

Q1. 七草がゆって、夜に食べてもいいですか?

もちろん大丈夫です。むしろ「夕食が重いと眠りが浅い」タイプの人は、夜のほうが合うこともあります。ポイントは量を食べすぎないこと。軽く終えた、という余白が眠りの味方になります。

Q2. 七草が手に入らない時は、もう意味ない?

意味、あります。七草セットが理想ではあるけれど、近い発想で「青菜+かぶ or 大根」でも十分。行事の再現より、“体を休ませる食べ方”ができたかどうかが大事です。

Q3. 七草がゆは「体にいい」って聞くけど、どこまで期待していい?

魔法みたいな即効性を期待すると、たぶん肩すかしです。七草がゆの良さは、胃腸の負担を減らし、薄味に寄せ、体の感覚を拾いやすくする“きっかけ”になるところ。小さな再起動として捉えると、ちょうどいい距離感になります。

5. 七草がゆは「リセット」より“再起動の儀式”にしていい

七草がゆって、体にとっては“やさしい再起動”みたいなものです。派手さはないけど、戻り道がちゃんと用意されている。そこが素晴らしい。

ちなみに豆知識をひとつだけ。七草には「春」と「秋」がいます。春は食べる七草、秋は眺める七草。季節の扱い方が違うのが面白いんですよね。

七草目的季節
春の七草おかゆに入れて食べる(無病息災・胃腸をいたわる)1月
秋の七草花を愛でて季節を感じる(鑑賞が中心)9月頃

今日のポイントは3つだけで十分です。
「温かくて軽い」「薄味で満足する練習」「野菜方向へ舵を切る」。全部できなくても、どれか一つでOK。

食べすぎた日々を責めなくて大丈夫。体は意外と、きっかけがあれば戻れます。🌿

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
この記事があなたのより良い生活のための一助になりますように。

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この記事を書いた人

からだトレンドラボを運営している、理学療法士のテラサワです。
病院やクリニックでのリハビリに長く関わる中で、
「もっと早く知っていれば楽になれたのに」という声を
何度も聞いてきました。

このブログでは、からだや健康にまつわる“トレンド情報”を、
医学的な視点でていねいに噛み砕いてお届けします。
難しいことはできるだけやさしく。
読み終わったときに、ちょっとだけ不安が軽くなっていたら嬉しいです。

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