朝は食欲がないから、ごはんの代わりに甘いカフェオレだけ飲んで出勤。午前中の途中で、どっとだるさが押し寄せる…。そんなパターン、心当たりはないでしょうか。
「朝食を抜くよりはマシ」と思って続けている方も多いですが、からだの中では少し別のドラマが進んでいます。この記事では、朝イチの甘いカフェオレがなぜ“エネルギー切れの一日”につながりやすいのかを整理しつつ、現実的に変えやすい工夫を一緒に考えていきます。


1. 「朝ごはん代わりに甘いカフェオレ」、よく聞くお悩みです
ここ数年、「朝は時間も食欲もなくて、砂糖たっぷりのカフェオレだけで済ませています」という相談をよく受けます。
・通勤中にコンビニの甘いカフェオレを飲んで終わり
・仕事中もなんとなく同じようなドリンクをリピート
そんな方の共通ワードは「午前中からすでにしんどい」「昼前に甘いものがまた欲しくなる」です。
一見すると、「何も食べないよりは、カロリーがある分いいのでは」と思いやすいですよね。
ただ、
- 砂糖たっぷりのドリンクだけ
- 他の栄養(たんぱく質・食物繊維・ビタミンなど)がほとんどない
- そのあと何時間も何も食べない
という組み合わせになると、からだはエネルギーの“ジェットコースター”に乗せられたような状態になります。
WHOは、1日の「自由糖(砂糖やシロップなどの加糖)」の摂取をエネルギーの10%未満、できれば5%未満(おおよそ25g=スティックシュガー約6本分)に抑えるよう勧めています。世界保健機関
砂糖入り飲料はこの自由糖の代表選手で、日本人の砂糖摂取のうち、およそ4分の1を飲み物が占めるという調査もあります。jumonji-u.ac.jp
「甘いカフェオレが悪者」というより、
“ほどほど”を超える量を、「それしかない」状態でとり続ける
ことが、だるさやエネルギー切れにつながりやすいポイントです。
2. 朝イチ甘いカフェオレ、「朝食の代わり」と言えるかどうか
まず整理しておきたいのは、「朝食らしさ」とは何か、という点です。
厚生労働省や農林水産省が示している食事の指針では、朝・昼・晩を通して、
- 主食(ご飯・パン・麺などの炭水化物)
- 主菜(肉・魚・卵・大豆製品などのたんぱく質)
- 副菜(野菜やきのこ、海藻など=ビタミン・ミネラル・食物繊維)
をバランスよくとることが勧められています。農林水産省
一方で、市販の甘いカフェオレの多くは、
- 砂糖やシロップで甘みをつけたコーヒー飲料
- 少量の乳成分
- たんぱく質や食物繊維はごくわずか
という構成です。
カロリーは入るのに、「からだの材料」になる栄養素が足りない。
それなのに血糖値だけが一気に上がりやすい。
このアンバランスさが、“朝ごはん代わり”としては少し心もとないところです。
「朝食抜きよりマシ」は、半分正解・半分トラップ
朝食を完全に抜く生活が、メタボリックシンドロームや心血管疾患のリスクと関連するという研究報告もあり、まったく何も食べない状態が長く続くのも望ましくないと言われています。Nature+1
ただし、「だから甘い飲み物だけでもとっておけばOK」とは言い切れません。
・朝食を抜きがち
・その代わりに砂糖たっぷりの飲み物が増える
・昼や夜にドカ食いが増える
この組み合わせになると、
- 一日の血糖値の振れ幅が大きくなる
- 空腹時のイライラやだるさが増える
- 結果として全体の栄養バランスが崩れる
といった、別の問題が顔を出してきます。
ですから、「朝食を何もとらない」か「甘いカフェオレだけ」に二択で悩むのではなく、
“少しだけ”タンパク質や食物繊維を足していく
イメージでグラデーションをつくることが大切になります。
3. 砂糖たっぷり+カフェインで、からだの中では何が起きている?
ここからは、からだの中で起きていることを少し覗いてみましょう。
(1) 砂糖は一気に血糖を押し上げる
砂糖たっぷりのカフェオレを空腹の胃に流し込むと、消化吸収はとてもスムーズに進みます。
結果として、
- 血糖値が短時間でグッと上がる
- それに対応してインスリンが多めに分泌される
- その後、血糖値がストンと下がる
という“ジェットコースター”のような動きが起きやすくなります。
この「上がって・下がる」揺れ幅が大きいと、
- ぼんやりする
- 急に眠気がくる
- 甘いものや炭水化物が無性に欲しくなる
といったサインにつながりやすくなります。
砂糖入りのコーヒー飲料は、ブラックコーヒーに比べて血糖コントロールへの良い影響が弱まる、という報告もあります。PMC
(2) カフェインは“アクセル役”にもなる
カフェオレにはカフェインも含まれます。
カフェインは、
- 覚醒度を上げてくれる
- 集中力を高めてくれる
一方で、 - 交感神経(アクセル側の神経)を刺激
- アドレナリンなどのストレスホルモン分泌を促す
という面も持っています。Mayo Clinic
空腹時に砂糖とカフェインを一気に入れると、
- 血糖の急上昇
- 交感神経のスイッチON
が重なり、短時間だけ「シャキッとする」ことがあります。
ただ、これはあくまで“ブースト”。
その後インスリンによる血糖低下が進むと、
「さっきまで元気だったのに、急にしんどくなってきた」
という感覚になりやすいのです。
(3) 神経と感覚のズレが、「しんどさ」として出てくる
血糖値のアップダウンやカフェインによる刺激は、自律神経にも影響します。
・心拍がやや速くなる
・呼吸が浅くなる
・体の力が抜けにくくなる
こういった変化は、本人の感覚としては
- 「なんとなく落ち着かない」
- 「イライラする」
- 「疲れているのに、うまくリラックスできない」
という形で現れることがあります。
私たちのからだは、本来なら「お腹がすいた → 食べる → 満足して落ち着く」という波を穏やかに繰り返すようにできています。
そこに、
- 砂糖たっぷりの飲み物
- 何時間も空腹が続くパターン
が混ざると、エネルギーと自律神経のリズムがちぐはぐになり、結果として“一日中しんどい感覚”につながってしまうのです。
4. よくある生活パターンと、“エネルギー切れ”のつながり
ここでは、日常でよく見かけるパターンをいくつか挙げてみます。
「これ、自分かも」と感じるものがあれば、そこが改善のスタート地点になります。
パターン1:通勤中のカフェオレ1本だけで午前中を乗り切る
- 家を出る前は何も食べない
- コンビニや自販機で、砂糖たっぷりのカフェオレを1本
- そのままお昼まで何も口にしない
この場合、
- 8~10時ごろ:血糖値と覚醒度がグンと上がる
- 10~11時ごろ:血糖が下がり、だるさ・甘いもの欲求が出やすい
という流れになりがちです。
WHOは、「自由糖」を1日のエネルギーの10%未満、できれば5%未満にとどめることで、肥満や生活習慣病リスクを下げられる可能性を示しています。NCBI
砂糖が10~20g以上入った飲料を朝から何本も飲む習慣が続くと、この推奨量を超えやすくなり、長期的な健康リスクも高まりやすくなります。国立医薬品食品衛生研究所
パターン2:甘いカフェオレ+菓子パンで一気に血糖オーバー
もう一つ多いのが、
- 甘いカフェオレ
- 菓子パン(クリーム・あん・チョコ系)
の組み合わせです。
どちらも砂糖や精製された小麦粉が多く、
「血糖を上げる速さ × 量」が大きいコンビ
になりやすいのが難点です。
朝から血糖とインスリンが大きく動くと、
- 午前中に眠気とだるさ
- 昼食後に再び強い眠気
という“二段階ノックアウト”のような疲れ方をする方もいます。
パターン3:一日を通して砂糖入りドリンクが常にそばにある
- 朝イチの甘いカフェオレ
- 午後のカフェラテやエナジードリンク
- 夜もなんとなくデザートドリンク
砂糖入り飲料からの砂糖摂取は、日本人の総砂糖摂取の約25%を占めるという調査があります。jumonji-u.ac.jp
「1本くらいなら」と思っているうちに、一日トータルではかなりの量になっていることも少なくありません。
Q1. 朝食を何も食べないより、甘いカフェオレだけの方がまだマシですか?
「全く何も食べない状態がずっと続く」よりは、エネルギー源が入るだけでも一面のメリットはあります。
ただ、“砂糖だけ”に偏ったエネルギーは、
- 血糖のアップダウンが大きい
- たんぱく質やビタミン・ミネラルが不足しやすい
という別の問題も生みやすくなります。
理想を言えば、
- ゆで卵やヨーグルトを1つ足す
- バナナやチーズを一緒にとる
など、「+1品」でいいのでタンパク質や食物繊維をそっと添えてあげるのがおすすめです。
Q2. 無糖のカフェオレやブラックコーヒーなら問題ありませんか?
無糖であれば、血糖の急激な上昇という点ではかなり安心度が上がります。一方、カフェイン自体には交感神経を刺激する面があるので、
- 動悸がしやすい
- 不安感が強い
- 胃が荒れやすい
といった方は、量やタイミングを工夫する必要があります。
「朝イチはカフェイン少なめ」「昼前後にもう一杯」など、自分のからだの反応を観察しながら調整していくと良いですね。WebMD
Q3. どのくらいしんどくなったら、医療機関に相談した方がいいですか?
- 強い動悸や冷や汗を伴う
- 手の震えや意識が遠のく感じが繰り返し出る
- 体重減少や強い口渇、多尿などが続く
こういった症状がある場合は、血糖コントロールの問題が隠れている可能性もあるため、一度内科やかかりつけ医に相談をおすすめします。
そこまでではなくても、「朝からいつも極端にだるい」「生活を見直しても改善しない」と感じるときは、早めに専門家に相談しておくと安心材料が増えます。
5. 甘いカフェオレを“ゼロにしない”まま、しんどさを軽くするヒント
最後に、「全部やめる」のではなく、現実的に続けやすい工夫をいくつか挙げてみます。
ヒント1:甘さを“段階的に”減らしていく
いきなり「無糖だけにする」とつらくなりやすいので、
- まずは「砂糖少なめ」「微糖」に変えてみる
- 週に2~3日は無糖のカフェオレにしてみる
といった、“ゆるい階段”をつくるのがおすすめです。
ヒント2:一口でいいので、タンパク質を添える
甘いカフェオレだけで済ませていた場合、
- ゆで卵1個
- チーズ1切れ
- 無糖ヨーグルト+ナッツ少々
などをプラスするだけでも、 - 血糖の上がり方が緩やかになる
- 満足感が増えて、ドカ食いを防ぎやすい
といったメリットが期待できます。
簡単にまとめると、こんなイメージです。
| 工夫の例 | からだのイメージ |
|---|---|
| 甘さ控えめのカフェオレにする | 血糖のジェットコースターを少し緩やかにする |
| ゆで卵・チーズなどを一品足す | エネルギーだけでなく「材料」も補う |
| 週のうち何日かは無糖コーヒー+水にする | 砂糖の総量を自然に減らす |
ヒント3:「しんどさ」を観察するクセをつける
大切なのは、「この飲み方をした日はどう感じるか」を、自分なりにメモしておくことです。
- 甘さ控えめにしたら、午前中の眠気が少し減った
- タンパク質を足した日は、昼前のイライラが楽だった
そんな“小さな変化”に気づけると、「自分のからだはこうすると楽になるんだな」と感覚的に分かってきます。
完璧を目指す必要はありません。
「今より少し、エネルギーの波を穏やかにしてあげる」
そのくらいの気持ちで、できそうなところから試してみてください。
からだは意外と素直で、小さな変化にもきちんと応えてくれることが多いです。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
この記事があなたのより良い生活のための一助になりますように。
