納豆のビタミンK2(MK-7)って何がすごい?~骨と血管の話をやさしく~

納豆のビタミンK2(MK-7)が骨や血管にどう関係するかが気になり調べている人のイメージ

「納豆って体にいいらしいけど、結局なにが良いの?」と聞かれたとき、私は“ビタミンK2(MK-7)”の話をそっと置きます。骨のため…だけじゃなく、血管にも関係しそうだから。難しそうに見えて、要点は意外とシンプルです。

目次

1. 「骨のために納豆」が気になり始めた人へ

骨密度の結果が少し気になったり、将来の骨折がふと頭をよぎったり。そんなとき、検索欄に「納豆 骨」と打ち込む人が増えます。
一方で、「血管の石灰化」「動脈硬化」みたいな言葉も日常に混ざってきて、結局なにを食べたらいいのか迷子になりがち。

納豆の話がややこしくなる理由のひとつが、“ビタミンK”が 血液の話骨の話 を同時に連れてくること。
今日はその中でも、納豆が得意な ビタミンK2の一種=MK-7 に絞って、骨と血管の見取り図を描きます。

2. ビタミンK2(MK-7)って、結局なに?

ビタミンKはざっくり言うと「体の中で、必要なタンパク質を“働ける形”に仕上げる係」です。とくに有名なのが血液凝固ですが、骨や血管に関わるタンパク質にも同じ“仕上げ”が起きます。J-STAGE

ビタミンKにはいくつか種類があり、ここで混線しやすいので整理します。

名前よくある呼び方主な食材イメージからだで期待されやすい役割
ビタミンK1フィロキノン緑の葉野菜血液凝固に関わるタンパク質の活性化
ビタミンK2メナキノン(MK)発酵食品など骨・血管に関わるタンパク質の活性化が注目
MK-7K2の一種納豆体内で比較的長く働く可能性が語られる

そして「補強」のポイント。
納豆はMK-7の供給源になり得る と言われる背景には、納豆のMK-7含有が“桁違いに多い”報告があるからです。市販の納豆で、MK-7が 2.9〜16.5 µg/g ほど含まれていたというデータもあります(50gなら単純計算で約145〜825µg相当)。aichi-inst.jp

3. 骨と血管で起きている「カルシウムの交通整理」

カルシウムは、骨にとっては頼もしい材料。
でも、血管の壁に沈着してしまうと“石灰化”として扱われます。つまりカルシウムは、場所を間違えると評価が変わる、ちょっと気難しい素材です。

ここで登場するのが、ビタミンKが“仕上げる”タンパク質たち。

  • オステオカルシン:骨に関わるタンパク質
  • MGP(マトリックスGlaタンパク):血管の石灰化に関わるとされるタンパク質

ビタミンKは、これらを カルボキシル化 という工程で“働ける状態”にする、と説明されます。J-STAGE
専門用語っぽいですが、感覚としては「未完成の工具に最後のネジを締めて、やっと使えるようにする」みたいなもの。

研究の雰囲気は?

骨に関しては、閉経後女性で MK-7の3年補給が骨密度低下を抑えた という報告がある一方で、同じく3年介入でも差が出なかった 試験もあります。つまり“効く人・効きにくい人”がいて、条件も絡みます。PubMed+1

血管側も同様で、MK-7補給と血管の石灰化指標を見た研究はありますが、対象(糖尿病、冠動脈疾患、弁膜症など)や評価方法で結論が揺れやすい領域です。PMC+1

なので、ここでの現実的な受け取り方はこうです。
「納豆のMK-7は“骨と血管の交通整理”に関わる可能性がある。ただし、単独で魔法みたいに決まる話ではない」

4. 「納豆を食べる習慣」が効きやすい人、注意が要る人

納豆は、生活に組み込みやすいのが強みです。
ただし、体の中で“血液の仕組み”にも触れる栄養なので、注意点もセットで覚えておくと安心です。

習慣として相性がいいパターン

  • 食事が不規則でも、朝か夜のどちらかに固定 できる人
  • 骨の材料(たんぱく質・カルシウム)や、調整役(ビタミンD)も一緒に意識できる人
  • 「毎日じゃなくても、だいたい一定量」を続けられる人

納豆は発酵食品なので、腸内環境の観点でも語られがちですが、MK-7狙いなら大事なのは“継続と一定感”です。

注意が必要な代表例:ワルファリンなどの抗凝固薬

ワルファリンを使っている人は、ビタミンKの摂取量が急に変わると薬の効き方に影響し得るため、食事のビタミンKは一定に と案内されます。国立衛生研究所栄養補助食品局+1
一般向けの目安として、成人男性120µg/日・女性90µg/日という情報もありますがMayo Clinic、納豆は先ほどの推定の通り“数百µg級”になりやすい食品です。
このため、服薬中の方は自己判断で「納豆生活」を始めず、主治医・薬剤師へ相談 がいちばん安全です。

Q&A

Q1. 納豆を食べると「血が固まりやすく」なるんですか?

ビタミンKは血液凝固に関わるので、そう聞くと不安になりますよね。実際は、健康な人が普通の食事で納豆を食べたからといって、すぐ“危険な固まり方”に直結する話ではありません。ポイントは「薬で血液を調整しているかどうか」。とくにワルファリン使用中は食事の影響を受けやすいので、そこだけ扱いが別になります。国立衛生研究所栄養補助食品局

Q2. ワルファリン中は、納豆は絶対にダメ?

一般に注意喚起されることが多い組み合わせです。大切なのは、自己流で増減させないこと。どうしても食べたい事情がある場合も含めて、主治医や薬剤師に“頻度と量”をセットで相談してください(ここが安全の分かれ道になります)。NCBI

Q3. MK-7はサプリで摂るほうが効率的ですか?

効率だけで言うと、サプリは量を固定しやすいメリットがあります。一方で、研究結果は一枚岩ではなく、骨や血管への効果は条件次第です。PubMed+1
食事で納豆を続けられるなら、まずは“食としての継続”が現実的。サプリを検討するなら、既往歴や薬との相性も含めて、医療者に一言添えるのが安心です。

5. 今日からできる「納豆MK-7」との付き合い方

全部を完璧にしなくて大丈夫です。やれそうなところだけ、つまんでください。

やること体感のイメージ(続けやすさ重視)
量と頻度を“固定気味”にする週の中でリズムを作る(増やしすぎない・減らしすぎない)
骨の相棒を一緒にたんぱく質+カルシウム+日光(ビタミンD)を“セット物”として考える
服薬中なら先に確認抗凝固薬などを使っている場合は、納豆を健康習慣にする前に相談

最後に、要点を3つだけ。
1つ目。納豆はMK-7の供給源になり得る(含有量が多い報告がある)。aichi-inst.jp
2つ目。MK-7は骨と血管の“カルシウムの交通整理”に関わる可能性があるが、効果は条件で揺れる(研究は混在)。PubMed+1
3つ目。薬(特にワルファリン)を使っている人は自己判断で始めない。一定量の考え方が重要。国立衛生研究所栄養補助食品局+1

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
この記事があなたのより良い生活のための一助になりますように。

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この記事を書いた人

からだトレンドラボを運営している、理学療法士のテラサワです。
病院やクリニックでのリハビリに長く関わる中で、
「もっと早く知っていれば楽になれたのに」という声を
何度も聞いてきました。

このブログでは、からだや健康にまつわる“トレンド情報”を、
医学的な視点でていねいに噛み砕いてお届けします。
難しいことはできるだけやさしく。
読み終わったときに、ちょっとだけ不安が軽くなっていたら嬉しいです。

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