加湿してるのに喉が痛い…暖房で上がる“室内CO2”と眠りの浅さの関係

冬の寝室で喉の違和感に悩み、換気と湿度を見直すイメージ(睡眠・空気)

加湿器を回しているのに、朝だけ喉がヒリヒリ。夜中に何度か目が覚めて、寝たはずなのに回復した感じがしない。冬の「あるある」ですが、湿度だけ見ていると原因を見落としやすいです。実は“空気がこもるサイン”としての室内CO2が、喉と睡眠の両方に絡むことがあります。

目次

1. 冬の寝室で増えた相談「湿度はあるのに、のどがやられる」

最近、こういう話をよく聞きます。
「湿度計は50%くらい。なのに喉が痛い」
「加湿すると結露する。だから換気しづらい」
「暖房を止めると寒くて眠れない。でも付けると眠りが浅い」

ここで一度、視点をずらします。冬の寝室は、湿度と同じくらい“換気”が眠りに影響します。換気が弱いと、二酸化炭素(CO2)が上がりやすい。CO2自体が即危険という話ではなく、人の呼気がたまりやすい=空気が動いていないという合図になりやすいんですね。
そして空気が動かない部屋は、喉にも睡眠にも優しくない条件がそろいやすいです。

喉の痛みって、乾燥だけじゃなく「刺激」と「回復不足」で悪化します。たとえば、口呼吸で粘膜が乾き続ける。ホコリや微粒子が舞う。夜に何度も浅く目が覚めて、粘膜の修復が追いつかない。こういう連鎖が起きると、加湿だけでは追い切れません。

大丈夫。原因が複数でも、やることは意外とシンプルに分解できます。まずは“空気のこもり”から片づけるのが近道です。

2. 誤解されやすいポイント「湿度さえ上げればOK」じゃない

冬の室内ケアでありがちな誤解を3つだけ。

誤解①:喉が痛い=湿度が足りない
もちろん乾燥は大きいです。でも、湿度が50%でも喉が痛い人はいます。理由は、口呼吸・ホコリ・暖房の気流・寝具の刺激・逆流(胃酸)など“別ルート”があるから。

誤解②:CO2が高いと酸素が足りない
家庭レベルのCO2上昇は、多くの場合「換気不足の目印」です。健康影響は条件次第ですが、まずは“空気が停滞している”と考える方が実用的です。目安として、国内の基準では建築物環境衛生管理基準でCO2は1000ppm以下が示されています。 厚生労働省+1

誤解③:加湿してるから換気しなくていい
むしろ逆で、換気が弱いと“こもり空気”が増えます。湿度は保てても、寝室が息苦しく感じたり、朝のだるさが抜けにくかったりします。

ここまでを短くまとめます。
喉の痛みと眠りの浅さが同時にあるときは、湿度だけでなく「換気不足のサイン(CO2)」も見る。CO2を下げる=空気の入れ替えが進むと、喉の刺激が減り、眠りが深くなりやすい。まずは就寝前の短時間換気からでOK。 co2-meters.nl+1

CO2の“ざっくり目安”を手元の判断にする

CO2の目安(ppm)部屋の感じやすいサインまずやる一手
〜800こもり感が少ない今の換気で維持
800〜1000少し重い、朝だるい日がある就寝前に短時間換気
1000〜1500空気が停滞、眠りが浅い感覚が出やすい換気+空気の流れ作り
1500以上こもりが強い、家族がいる寝室で上がりやすい夜間の換気設計を見直す

※「危険ライン」というより、“換気の弱さが見える数字”として使うのがコツです。ASHRAEもCO2監視は換気状態の把握に役立つ一方、室内空気質は温湿度や粒子状物質など複数要因で決まると整理しています。 ASHRAE+1
(豆知識)職場の安全基準の文脈では、CO2の時間荷重平均の基準として5000ppmが示されています。家庭でそこまで行くことは多くありませんが、「1000ppm前後は“快適・換気の目安”、5000ppmは“別枠(作業環境)”」と分けると混乱しにくいです。 疾病管理予防センター+1

3. 体の中で起きていること:喉と睡眠をつなぐ“こもり空気”のルート

ここから少しだけ、体の話をします。

3-1)CO2が上がる寝室は「呼気がたまる部屋」

人は寝ていても呼吸します。当たり前ですが、寝室が小さく、窓を閉め、換気が弱いと、呼気由来のCO2がじわじわ上がります。
この状態は、言い換えると「空気が動いていない」。すると起きやすいのが次の3つです。

  1. 眠りが浅くなる
    寝室の換気条件を変えると、睡眠の質や翌日の眠気・集中感が変わることが報告されています(寝室のCO2が低い条件で改善が見られた研究)。 co2-meters.nl+1
    (豆知識)国内の寝室環境の研究でも、就寝中にCO2が基準(1000ppm)を上回る場面が多いことが示唆されています。 J-STAGE+1
  2. 喉が回復しにくい
    空気が停滞すると、暖房の気流で舞った微粒子や寝具のホコリが居座りやすい。喉は“粘膜のバリア”なので、刺激が続くとヒリヒリが残りやすいです。
  3. 口呼吸が固定されやすい
    鼻が少し詰まっている日、部屋がこもっていると、無意識に口呼吸に寄りがちです。朝の「口の中がカラカラ」は、湿度不足より口呼吸サインのことも多い。

ここで大事なのは、CO2だけが悪者ではないこと。CO2が上がっている部屋は、刺激の“同居人”が増えやすいという点です。

3-2)「加湿してるのに喉が痛い」人がやりがちな落とし穴

落とし穴は、だいたいこの2つに集約されます。

落とし穴A:加湿器をベッドの近くで強運転
湿度は上がりますが、気流の当たり方によっては喉が乾きます。扇風機の風で肌が乾くのと似た話で、粘膜も風に弱いです。

落とし穴B:加湿器由来の“粒子”が増える
超音波式などでは、使う水のミネラルが微粒子になって空気中に出やすいことがあります(いわゆる白い粉)。粒子の性質や量によっては呼吸器への刺激になり得る、という報告もあります。 サイエンスダイレクト+1
対策はシンプルで、蒸留水や軟水寄りの水を使う、こまめに清掃する、フィルター交換を守る。これだけで「喉がラクになった」が起きます。

3-3)湿度の“ちょうどいい”は、意外と狭い

加湿は正義ですが、やりすぎるとカビやダニの土台を作ります。国内の基準では相対湿度40〜70%が示されています。 厚生労働省+1
一方で、健康面の文脈では40〜60%の範囲が語られることも多いです。 CDC Stacks
だから私は、家庭ではまず40〜60%を目安にして、「結露が増えるなら上げすぎ」「喉が乾くなら下がりすぎ」と微調整するのをおすすめします。

4. 今日からできる:喉と睡眠を同時にラクにする“空気の設計”

完璧にやらなくて大丈夫です。効きやすい順に並べます。できるものからどうぞ。

4-1)就寝前の“短時間換気”を儀式にする(最優先)

おすすめはこれです。
寝る直前ではなく、寝る15〜30分前に5分だけ換気。
窓を2か所(対角線)で少し開けるか、片方の窓+換気扇で「入口と出口」を作ります。
目的は、寒さと戦うことではなく、CO2を下げてから布団に入ること。

4-2)夜間は「少しだけ空気が動く状態」を作る

・寝室のドアを少し開ける(隙間でOK)
・換気扇を弱で回す(浴室・トイレでも、家の構造によっては流れが作れます)
・サーキュレーターで“空気のよどみ”を崩す(人に風を当てない向きで)

「寒いのが嫌で全部閉める」と、CO2が上がりやすい。
「開けっぱなしは無理」なら、少しだけ動かす。この中間がいちばん続きます。

4-3)加湿は“喉に当てない”、そして“清潔に使う”

・ベッドから距離を取る(湿気の直撃を避ける)
・湿度は40〜60%目安、上げすぎない CDC Stacks+1
・超音波式は水と手入れを丁寧に(白い粉対策) サイエンスダイレクト+1

ここまでで、喉がラクになり、眠りが“底に落ちる”感じが出る人が多いです。睡眠は「刺激を減らす」と、勝手に深くなりやすいタイプの回復なんですよね。

4-4)それでも喉が痛いときの“別ルート”チェック

空気の設計をやっても残るなら、喉を乾かす別ルートを疑います。

朝、口が渇く:口呼吸(鼻づまり、寝姿勢、いびき)
胸やけ、朝の声枯れ:逆流(遅い夕食、アルコール、寝る直前の甘いもの)
くしゃみ・目のかゆみ:ホコリ、ハウスダスト、寝具の汚れ

責める話ではなく、「当たりを付ける」だけでOKです。空気が整うと、こういうサブ要因も見えやすくなります。

Q&A

Q1. CO2計って本当に必要?体感だけじゃダメ?

体感だけでも改善はできます。ただ、CO2は「こもり具合」を数字で見せてくれるので、対策が当たりやすくなります。寝る前と起床時で比べて、下がっていれば換気は効いています。続けるほど“自分の家のクセ”が分かります。 ASHRAE+1

Q2. 加湿してるのに喉が痛いのは、加湿器のせい?

可能性はあります。とくに超音波式で手入れが少ない、硬水寄りの水を使う、ベッドの近くで強運転などは刺激になり得ます。水と清掃を整え、距離を取るだけで改善する人もいます。 サイエンスダイレクト+1

Q3. 受診の目安は?様子見でいいケースは?

発熱が続く、飲み込みづらいほど痛い、呼吸が苦しい、首の強い腫れ、1週間以上はっきり改善しない場合は医療機関が安心です。軽い違和感で、空気環境や口呼吸に心当たりがあるなら、まず数日だけ室内の設計を試すのも一手です。

5. 結局どこを押さえる?私のおすすめはこの3点

最後に、今日からの行動を3つに絞ります。全部やらなくていいです。1個だけでも前に進みます。

  1. 寝る15〜30分前に5分換気(入口と出口を作る)
  2. 湿度は40〜60%目安、加湿はベッドから距離を取る CDC Stacks+1
  3. 朝の口の渇きが強いなら“口呼吸ルート”も疑う(鼻づまり・寝姿勢・いびき)

喉と睡眠は、別々の悩みに見えて「同じ空気を吸っている」という一点でつながっています。空気が変わると、体はわりと素直です。小さく整えていきましょう。あなたなら大丈夫、ちゃんと取り戻せます🌿

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
この記事があなたのより良い生活のための一助になりますように。

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この記事を書いた人

からだトレンドラボを運営している、理学療法士のテラサワです。
病院やクリニックでのリハビリに長く関わる中で、
「もっと早く知っていれば楽になれたのに」という声を
何度も聞いてきました。

このブログでは、からだや健康にまつわる“トレンド情報”を、
医学的な視点でていねいに噛み砕いてお届けします。
難しいことはできるだけやさしく。
読み終わったときに、ちょっとだけ不安が軽くなっていたら嬉しいです。

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