カフェインレスは身体に良いのか?自律神経と睡眠から考えるコーヒーの付き合い方

フェインレスは身体に良いのかをテーマにした記事のアイキャッチ画像。木のテーブルにコーヒーとオレンジスライスが並び、自律神経と睡眠から考えるコーヒーの付き合い方をイメージしている
目次

1. はじめに

「夜はカフェインレスにしたほうがいいんですか?」
「デカフェ コーヒーなら、眠りには影響しませんよね?」

ここ数年、こういった相談を受ける機会がかなり増えました。
コンビニの棚を眺めても、「カフェインレス」「デカフェ」と書かれた飲み物が当たり前のように並んでいますし、SNSでは

  • 「カフェイン やめた 体調がすごく変わった」
  • 「カフェイン 飲み過ぎ デメリットが気になってきた」

といった投稿もよく見かけます。

理学療法士としてからだの相談を受けていると、痛みの話だけでなく、

  • なんとなく疲れが抜けない
  • 夜に寝つきが悪い、眠りが浅い
  • 動悸や不安感がときどき気になる

といった、自律神経や睡眠まわりの悩みを抱えた方がとても多いと感じます。詳しく話を聞いていくと、

  • 朝起きてすぐコーヒー
  • 仕事中も常にマグカップが手元にある
  • 夕方は眠気対策にエナジードリンク
  • 夜はリラックスのつもりでデカフェ コーヒー

というように、一日中どこかでカフェインに触れている生活パターンが見えてきます。
正直に言うと、私自身もコーヒーが好きで、うっかり飲み過ぎて「今日はちょっと神経が高ぶってるな…」と反省することがあります。

この記事では、

  • カフェインレスは本当に身体に良いのか
  • カフェイン 身体 影響はどの程度気にした方が良いのか
  • 自律神経 睡眠の観点から、どんな飲み方が現実的なのか

を、できるだけやさしい言葉で整理していきます。
読み終わるころには、

「全部やめるのは無理だけど、このくらいなら試せるかも」

というラインが、少し見えてくるはずです。力を抜いて読んでみてください。


2. いま話題のカフェインレスって、結局なんなのか?

カフェインレス・デカフェ・ノンカフェインの違い

世の中の表示を見ていると、似たような言葉が並んでいて混乱しがちです。ざっくり整理すると、こうなります。

表記カフェイン量のイメージ主な例
カフェインレス元の飲み物よりかなり少ないが、ゼロではないカフェインレスコーヒー、紅茶など
デカフェ コーヒーコーヒー豆からカフェインを大部分抜き取ったものデカフェ コーヒー
ノンカフェインもともとカフェインをほとんど含まない麦茶、ルイボスティー、ハーブティーなど

ポイントは、「カフェインレス」「デカフェ」と書かれていても、完全なゼロではないということです。
一般的なコーヒー1杯にはおよそ80〜100mgほどのカフェインが含まれますが、デカフェ コーヒー1杯には、2〜15mg程度のカフェインが残っているとされます。

つまり、

カフェインレス=“かなり少ないけれど、わずかには残っている”

というイメージで捉えておくとよさそうです。

「カフェイン=悪者」ではない

「カフェイン 飲み過ぎ デメリット」と検索すると、

  • 眠れなくなる
  • 動悸がする
  • 胃が荒れる
  • 血圧が上がる

など、ネガティブな情報がたくさん出てきます。
一方で、適量のカフェインは集中力アップや眠気覚ましに役立ちますし、コーヒーに含まれる成分は、心臓や血管の病気、糖尿病などのリスクを下げる可能性があると報告している研究もあります。

「どれくらいまでなら大丈夫なの?」という目安も、表にしておきます。

人の状態・ライフステージ1日のカフェイン量の目安イメージ
健康な成人おおよそ400mgまで(コーヒー3〜4杯程度)
妊娠中・授乳中おおよそ200mgまで(コーヒー1〜2杯程度)
不安が強い/心臓・血圧の持病あり体質によるため、少なめ〜医師と相談レベル

※あくまで「多くの人にとっての一般的な目安」です。少量でも動悸が出る方もいれば、比較的平気な方もいます。

つまり、カフェインそのものが「身体に悪いもの」ではなく、

  • どれだけ
  • いつ
  • どんな体質の人が

摂るのかによって、「味方にもなれば、負担にもなりうる刺激」と言えます。

カフェインレスやデカフェ コーヒーは、“ゼロか100か”ではなく、負担をやわらげる中間地点として使える選択肢だと考えてもらうと良いと思います。


3. からだの中で起きていること

ここからは、カフェインがからだの中でどんな動きをしているのかを、少しだけ覗いてみます。むずかしい部分は、なんとなく雰囲気だけ掴んでもらえれば大丈夫です。

脳と自律神経の話

カフェインは、脳の中で「アデノシン」という“眠気を招き、からだを休ませる役割”を持った物質の働きをブロックします。

その結果、

  • 眠気がやわらぐ
  • 集中しやすくなる
  • テンションが少し上がる

といった効果が生まれます。

同時に、自律神経のうち「交感神経(アクセル側)」が優位になり、

  • 心拍数や血圧がやや高くなる
  • 手足の血管がキュッと締まりやすくなる
  • 胃腸の動きが変わる

といった変化が起こります。

この“アクセル”が日中にほどよく働いてくれる分には問題ありませんが、ポイントは「いつまで効いているか」です。

カフェインの“半減期”(体の中で量が半分になるまでの時間)は個人差がありますが、平均で5〜6時間前後と言われています。

たとえば夕方16時にコーヒーを飲んだ場合、夜22時になっても、体の中にはまだかなりのカフェインが残っている計算になります。
「自律神経 睡眠」のバランスが崩れている人ほど、この残りやすさの影響を受けやすい印象があります。

心臓と「動悸・不安」とのつながり

「動悸 不安 カフェイン」というキーワードで検索する人も多いようです。

カフェインで交感神経が高まると、心臓は“ドクドク”と強く、速く打つようになります。
健康な心臓なら一時的な変化で済みますが、

  • もともと不安感が強い
  • パニック発作を経験したことがある
  • 心臓や血圧に持病がある

といった方では、その鼓動の変化が「また発作が来るんじゃないか」「何か重大な病気では」といった不安につながりやすくなります。

からだとしては「カフェインでちょっと興奮しているだけ」でも、こころのほうが「危険かもしれない」と判断すると、さらに不安が増幅されてしまうのです。

こういう背景がある方は、

  • ストレスの多い日ほどカフェインを控えめにする
  • 午後〜夜はカフェインレスに切り替える

といった工夫で、“からだへの刺激”を静かに下げてあげるだけで、心の安心感が少し変わることがあります。

筋肉・骨・内臓へのじわじわした影響

理学療法士として気になるのは、「カフェイン習慣が長く続くと、筋肉や骨、内臓にどう影響するか」という部分です。

  • 筋肉や疲労感
    一時的にはパフォーマンスを上げる方向に働くこともありますが、慢性的な睡眠不足をカフェインでごまかし続けていると、回復の時間が削られていきます。結果として、「休んでいるのに休まった感覚がない」「肩こりや腰のだるさが抜けにくい」といった状態につながりやすくなります。

  • カルシウム摂取が少ない人や閉経後の女性などでは、極端に多いカフェイン摂取が骨密度低下と関連する可能性を指摘する研究もあります。
  • 内臓(特に胃腸)
    コーヒーは胃酸分泌を促しやすく、もともと胃が弱い人では胸やけや胃もたれにつながることがあります。

一方で、コーヒーには抗酸化作用を持つ成分も多く含まれており、適量であれば心血管疾患や糖尿病のリスク低下と関連するデータもあります。

つまり、

カフェイン 身体 影響は「量」と「タイミング」と「その人の体質」で姿を変える

ということです。
カフェインレスやデカフェ コーヒーは、このバランスをとるための“逃げ道”として、とても使いやすい存在だと思います。

「カフェイン やめた 体調」が変わる理由

「カフェイン やめた 体調が良くなった」という声は、臨床でもよく耳にします。

からだの中では、

  • 夜の眠りが深くなり、回復力が上がる
  • 心拍数や血圧の上下動が穏やかになる
  • 胃腸の負担が減る

といった変化が重なり、「なんとなく毎日がラクになってきた」と感じる方が多いのだと思います。

ただ、急にカフェインを断つと、

  • 頭痛
  • 強い眠気やだるさ
  • 集中しづらさ、気分の落ち込み

などの“離脱症状”が数日〜1週間ほど続くことがあります。

ですから、カフェインを減らすときは、少しずつ量や濃さを落としていくほうが、からだにも心にもやさしいと考えています。


4. 日常のクセとカフェインレスの関係

ここからは、よくある生活パターンとカフェインの関係を、少し具体的に見ていきます。

朝から晩まで「なんとなく」飲み続けているパターン

  • 朝起きて「とりあえず」コーヒー
  • 通勤中もコンビニコーヒー
  • 午後の眠気覚ましにもう1杯
  • 帰宅後も、習慣でなんとなく飲む

こうした日々が積み重なっていると、自分が1日にどれだけカフェインを摂っているのか、意外と把握していないことが多いです。

気づいたら1日5杯以上飲んでいて、「カフェイン 飲み過ぎ デメリット」のゾーンに入り込んでいることも。

ここでいきなり「全部カフェインレスに」と考えるとしんどくなるので、

  • 朝の1杯はそのまま楽しむ
  • 午前中の2杯目までは普通のコーヒー
  • 昼以降はカフェインレスやノンカフェインに切り替える

というように、時間帯で切り替えていくのがおすすめです。
このくらいの調整でも、自律神経や睡眠のリズムが穏やかになっていく方は少なくありません。

「リラックスのつもりの夜コーヒー」が眠りを浅くしているパターン

一日の終わりに、ほっと一息つきながら飲むコーヒー。
この時間が好き、という方も多いと思います。

ただ、先ほど触れたように、カフェインは飲んでから数時間は体の中に残ります。
寝つきの悪さや夜中に目が覚めることに悩んでいる方にお話を聞いていくと、

  • 21〜22時ごろに普通のコーヒーや紅茶を飲んでいる
  • 寝る直前までカフェイン入りの飲み物を口にしている

というケースもよくあります。

この場合、「夜の一杯」そのものをやめる必要はありません

  • 同じ時間に、デカフェ コーヒーやカフェインレスに変えてみる
  • 2日に1回はハーブティーや麦茶など、ノンカフェインにしてみる

といった“小さな入れ替え”だけでも、自律神経 睡眠の質が変わる可能性があります。

動悸や不安を抱えながら、カフェインで頑張ってしまうパターン

不安感が強い方ほど、無意識に「気分を持ち上げてくれるもの」に頼りがちです。
カフェインもそのひとつで、一時的には頭がすっきりし、気分も軽くなったように感じます。

ただ、背景に「動悸 不安 カフェイン」の組み合わせがあると、

  • カフェイン → 心拍数アップ → 体感としての“ドキドキ”
  • その感覚を「危険かも」と脳が受け取る → 不安が増す

という悪循環が起こりやすくなります。

この場合も、やはり“ゼロか100か”ではなく、

  • 不安が強い日はカフェイン量を半分にする
  • 夕方以降はカフェインレスを基本にしてみる

といった、「1〜2割だけゆるめる」変化から始めるのがおすすめです。
完璧を目指すより、「こういう日くらいは自分にやさしくしておこう」くらいのゆるさのほうが、長く続けやすいと感じます。


5. おわりに

ここまで読んでくださって、

「結局、自分はどうしたらいいんだろう…」

と少し迷っている方もいるかもしれません。
最後に、“これだけでも十分スタートになる”というポイントを、表にまとめておきます。

小さな一歩やってみることのイメージ
時間帯を決めるカフェイン入りは15〜16時まで/それ以降はカフェインレス等に
おおよその量を知る1日何杯飲んでいるかを数えてみて、1杯だけ置き換えてみる
からだの反応を観察する飲んだあとに動悸・不安・冷え・こわばりが強くならないか見る

文章で書くと少し堅く見えますが、どれも「今日からいきなり全部変えなきゃいけない」という話ではありません。

  • カフェイン入りを飲む“時間”を決めてみる
  • 1日の“だいたいの量”を知ってみる
  • 飲んだあとの“からだの声”を少しだけ聞いてみる

この中から、気になるものを1つだけ選んで試してみるだけで十分です。

カフェインレスは、「カフェインが悪だからやめる」ためのものではなく、

今の自分のからだに合わせて、刺激の強さを微調整するための道具

くらいに考えておくと楽です。

一方で、コーヒー自体にはからだにとってプラスに働く側面もあります。
そのあたりを整理したのが以下の記事です。

もし、いまの体調に不安があっても、
飲み物を少し見直すだけで、自律神経や睡眠がラクになることは十分ありえます。
全部を一気に変える必要はありません。

「この一杯だけ変えてみようかな」

そのくらいの気持ちで、試しにカフェインレスやデカフェ コーヒーを手に取ってみてください。
からだの反応を観察しながら、自分に合ったペースで調整していけば大丈夫です。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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この記事を書いた人

からだトレンドラボを運営している、理学療法士のテラサワです。
病院やクリニックでのリハビリに長く関わる中で、
「もっと早く知っていれば楽になれたのに」という声を
何度も聞いてきました。

このブログでは、からだや健康にまつわる“トレンド情報”を、
医学的な視点でていねいに噛み砕いてお届けします。
難しいことはできるだけやさしく。
読み終わったときに、ちょっとだけ不安が軽くなっていたら嬉しいです。

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